「キャンピングカーってどのぐらい走るの?」キャンピングカー講座 第11回

「キャンピングカーってどのぐらい走るの?」キャンピングカー講座 第11回
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前回まではキャンピングカーの装備についてお話ししました。ここまで読んで頂いた方はキャンピングカーにはどんなものがあるのか、車内で何が出来るのかという事をなんとなく理解してもらえたかと思います。

前回の記事:「キャンピングカーってどんな装備が付いてるの?」キャンピングカー講座 第10回

しかし!忘れてはならないのがキャンピングカーも「車」であるという事です!車である以上はやはり良い走り、良い取り回し、良い燃費の方がいいに決まっています。という訳で今回は意外と見落としがちなキャンピングカーの走りについてのお話「キャンピングカーってどのぐらい走るの?」という事をお話ししていきます。

まず初めにお話ししなければならない事として「乗用車並みに走るか?」と聞かれたら、残念ながら答えは「No」です。

 

キャブコンは特に他モデルに比べて車両重量と車高があるので、走行性能のダウンは否めません。

トラックベースのキャブコンにしても内装だけを改造したバンコンにしても、どれだけ上手に作っても乗用車より重くなることは避けられません。また室内スペースを確保するために車高が高いので、やはり風の影響やふらつきは避けられません。
キャンピングカーは「キャンプ(車中泊)をするため」に特化した車であり、「目的地まで移動すること」に特化した乗用車には走りに関してはどうしても敵いません。

また取り回しについても乗用車より大きいので言わずもがな。車両によっては長さ6mや7m、車幅も2m以上あるモデルも珍しくありません。そして燃費についてもキャンピングカーは基本ガソリンかディーゼルでハイブリッドや電気自動車はほぼありません、車両重量も重いので10km/lいく車はほとんどなくやはり乗用車には遠く及びません

・・と、まずはこの話を前提として知って頂いた上で進めていきます。この話をしておかないと、どうしてもキャンピングカーを乗用車並の走り・燃費だと思ってしまう方もいるので、正直にお話ししました。

「え、じゃあキャンピングカーはどれ選んでも走りは同じなんじゃん。」と言われそうですが、いえいえそんな事はありません!同じキャンピングカーでもベースの車種やビルダーの作り方によって、走りには大きな差が出てくるのです。

 

例えば同じ軽キャンパーでも軽トラか軽バンか、または作り方や重量バランスで走りに大きく差が出ます。

そこで各モデルの主な走りを「走りやすさ(乗り心地が良く安定感があり、高速走行や坂道でストレスなく走れるか)」「取り回し(狭い道でも小回りがきいて、駐車場にも停めやすいかどうか)」「燃費(平均で1Lあたり何km走るか)」でざっくりと評価してみたいと思います。

軽キャンパー/エブリィ、ハイゼットトラック等(走りやすさ C、取り回し A、燃費 10〜12)
軽バンベースか軽トラベースかにもよりますが、走りはやはり軽自動車です。しかしターボ付きだと高速でも結構普通に乗れますし、取り回しと燃費に優れているので日常使いにはもってこいです。中でも取り回しの良さは最高レベルで、どんなに駐車場が混んでいようがお構いなしに停められるキャンピングカーは軽キャンパーだけだと思います。

コンパクトバンコン/タウンエース・NV200等 (走りやすさ B、取り回し A、燃費 9〜11)
ハイエースは大きいけど、軽自動車じゃ物足りない!という方にはタウンエースorNV200バンコン、乗用車でいうコンパクトカーの位置付けです。日常使いにも余裕で使える取り回しな上に燃費も良くこれといった欠点がありませんが、軽よりは維持費がかかりハイエースよりは狭い、と良くも悪くも中間サイズです。

バンコン/ハイエース・キャラバン等 (走りやすさ A、取り回し B、燃費 ガソリン7〜9/ディーゼル8〜10)
今、日本で一番売れているキャンピングカーと言っても過言ではないと思います。走り・取り回し・燃費とどれを取っても丁度良く、見た目的にも日常使いできるので日本に合ったキャンパーと言えるでしょう。欠点として日常使いするにはちょっと燃費が悪いことですが、これはもうキャンピングカーは仕方のないことですね。

ライトキャブコン/ボンゴ・タウンエース等(走りやすさ C、取り回し B、燃費 7〜9)
排気量が小さいので走りは弱いですが、コンパクトで取り回しが良く初心者向けのキャブコンと言えるでしょう。全ラインナップの中でこのクラスが一番走りにおいてのメリットが少ないですが、その分やはり軽キャンパーやバンコンより居住性に優れています。このクラスにディーゼルエンジンがなくなってしまったのが非常に残念です。

キャブコン/カムロード・エルフ等(走りやすさ B、取り回し B、燃費 ガソリン 6〜7/ディーゼル 7〜8)
ガソリンかディーゼルかで走りは大きく変わりますが、高速や山道にも強く燃費もやや良いので、やはりご予算があるならやはりディーゼルをお勧めします。しかしガソリンでも平地は普通に走りますので、ガソリンがダメという訳ではありません。一見とても大きく見えますが、5m×2mのボディサイズが多く駐車場にも停めやすいです。

バスコン/コースター・シビリアン等(走りやすさ A、取り回し C、燃費 5〜6)
荷物を載せるためのトラックよりも、人を載せるために作られたバスはやはり乗り心地・走りが違います。高速での安定性や坂道でも問題なく登っていく走行性は、国産キャンピングカーでも随一と言えるでしょう。その反面ボディサイズと排気量が大きいので、取り回しや燃費は決して良くありませんが、補って余りある走行性は魅力です。

欧州輸入車/デュカト・スプリンター等(走りやすさ A、取り回し C、燃費 9〜11)
最近特に人気が出ている欧州輸入車は走りや乗り心地がバスコンと同等かそれ以上、更に燃費が10km/l越えもするというまさにキャンピングカーのための車と言っても過言ではありません。ネックはボディ幅が230cm越えも珍しくないので取り回しにやや難点があるのと、輸入車ならではのメンテナンス性といったところでしょうか。

アメ車モーターホーム/フォード・シボレー等(走りやすさ A、取り回し C、燃費 3〜5?)
すみません、正直一番詳しくない車種なのでざっくりです(^^;)排気量が大きいので高速走行は全くストレスなくパワフルに乗れるのですが、取り回しと燃費はバスコンよりも劣るため、日本国内では若干扱いにくいです。しかし快適さを追求した走行性と居住性は、アメ車にしかないダイナミックな魅力であり根強いファンも多いです。

・・・以上、代表的な車を例に挙げて車種別にご説明しました。これだけを見てしまうと「やっぱりバンコンがいいのかなぁ」と思ってしまいがちですが、キャンピングカーの本来の魅力は“動く家”であることの居住性ですから、走りの面だけを考えて選ぶのは間違いです。

しかし逆にキャンピングカーショーなど試乗ができない環境では、つい居住性だけに目がいきがちなのでそこも注意が必要だと思います。

 

走行性も高く室内も広々な輸入モーターホームも、取り回しがネックになる面があります。

結局のところ、使う方が「日常使いもしたいのか?自宅の車庫はどのぐらいの大きさなのか?走行性を取るのか居住性を取るのか?」という面が大きいので、どれが優れているのかというよりはどれが自分に合っているのかという点が重要になります。今回の走りのお話も、車を選ぶ上であくまでもご参考程度にお考えください(^-^)/

(※注 ご紹介した走りやすさ・取り回しは個人的な感想です。燃費については実際のオーナーさんの話やネットでの評判を拾ったものなので、あくまでも目安としてください!)

<記事まとめ>
・キャンピングカーは走行性・取り回し・燃費においてやはり乗用車並には走らない。
・しかしベース車種やビルダーの作り方によって、走りに大きな差が生まれる。
・走り」だけに捉われず、居住性や価格など総合的に判断して車を選ぶことが大切。

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