「キャンピングカーのベッドって寝心地どうなの?」キャンピングカー講座 第12回

「キャンピングカーのベッドって寝心地どうなの?」キャンピングカー講座 第12回
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すっかり間が空いてしまいましたが、早いものでいつの間にか第12回を迎えました。アクセス数を見ると意外にも需要があるようですので、出来る限り生の情報をお伝えられるよう努めていきたいと思いますm(_ _)m

前回の記事:「キャンピングカーってどのぐらい走るの?」キャンピングカー講座 第11回

さて、前回はキャンピングカーの走りについてご説明しました。しかし当然キャンピングカーの本領発揮は泊まること。特に「寝る」という事が最重要になってきます。という訳で今回は「キャンピングカーのベッドって寝心地どうなの?」をお伝えしていきたいと思います。

まずキャンピングカーのベッドと言っても、基本的な考え方は家のベッドと同じです。当然そこには「寝心地の良さ」が求められる訳ですが、やはり限られたスペースである以上は多少の不便さが伴います。しかし、各ビルダーは創意工夫を重ねて出来る限り寝心地の良い就寝スペースを作り上げているのです。

そしてベッドの種類にもいくつかあって、その快適さや便利さも様々です。ではそれぞれのベッドの特徴とメリット・デメリット、そして快適さ・便利さ・面白さを独断と偏見でご紹介します。

 

●ダイネットベッド
快適さ★ 便利さ★★ 面白さ★★★
特徴:キャンピングカーのリビング部分(ダイネット)を展開して出来上がるベッド
メリット:シートがベッドになるため、他のスペースが有効に使える。
デメリット:継ぎ目が多いものが多く、寝心地が良いとは言えない。展開が面倒。

おそらく9割方のモデルに採用されているベッドであり、個人的には一番キャンピングカーらしいベッドだと思います。構造上どうしても継ぎ目が多いため寝心地が良いとは言えず、モデルによっては非常に面倒な展開で時間がかかります。しかし、みんなで座っていたシートがベッドになっていく仕掛けはキャンピングカー特有のワクワク感があり、誰かにキャンピングカーを見せる時は最大の見せ場になること請け合いです。最近はベッド展開が簡単なモデルも増えているので、検討の価値ありです。

 

●ルーフベッド
快適さ★ 便利さ★★ 面白さ★★★
特徴:主にポップアップルーフを開けた時に展開して出来あげるベッド
メリット:ルーフを閉じれば走行時の車高を抑えることができる。
デメリット:車両価格が高価になってしまう割には快適性は低い。

一部のポップアップルーフ車に採用されているベッドで、確実に一番お子さんが喜ぶであろうベッドです(笑)。あまり重たくできないのでベッド素材が薄く、またルーフ部分は基本テント生地のため気温や天候に左右されやすいという短所を持っています。しかし最大の長所である走行時の車高を抑えるという点は、走行性の安定感を高めたり立体駐車場のような低い場所に入れるため、都市部のユーザーは重宝します。ポップアップルーフのデザインが好きという方も多いです。

 

●バンクベッド
快適さ★★ 便利さ★★ 面白さ★★★
特徴:キャブコンで多く採用されるバンク(おでこ)部分にあるベッド
メリット:ダイネットを展開しなくても充分に寝られるベッドスペース。
デメリット:高い位置にあるため登り降りが大変。夏場は暑い。

トラックベースのいわゆるキャブコンに多く採用されているおでこ部分のベッド。ポップアップルーフと違い常設ベッドとして使えるので展開が簡単で、移動時は荷物置きにもなる便利な空間です。ルーフベッドより展開が簡単で快適であるもの、夏場は暑い(ルーフベッドは逆に夏場涼しい)。登り降りがやや大変ですが、逆に小さいお子さんは登るのが楽しくて「秘密基地感」という意味ではおそらく子ども達が一番ワクワクする面白いベッドではないかと思います。

 

●二段ベッド
快適さ★★ 便利さ★★ 面白さ★★
特徴:主にリヤ側に配置されているベッド。上段は跳ね上げ式が多い。
メリット:展開しなくても二名が別々に寝れて就寝定員が大幅に増える。
デメリット:一段あたりの高さが低い。上段と下段の温度差がある。

バンコン・キャブコン・バスコン・トレーラーなど多くのモデルで幅広く使われている二段ベッドは、常設でありながらダブルベッド程のスペースを取らないため、室内空間を有効活用できます。ダブルベッドと違い二名が別々に寝れるため、友人同士や異性兄妹などでも気兼ねなく使えるのも特徴です。しかし限られた空間の中で二段を作るため一段あたりの高さが低いのと、上段と下段で温度差があるので、冷暖房の温度調整が若干難しくなります。あと子ども達が上段ベッドの取り合いになります(笑)

 

●ダブルベッド
快適さ★★★ 便利さ★★ 面白さ★
特徴:バスコンや輸入車など比較的大型のモデルで採用されているベッド。
メリット:広さはもちろん、元々ベッドとして作られているため寝心地は抜群。
デメリット:スペースが必要なため大型モデルでないと配置が難しい。

定義が難しいのですが、ここでは「常設ダブルベッド」という前提でご説明します。最大の特徴は今までのベッドと違い、快適に寝るために作られたベッドのため寝心地は抜群です。他のベッドはスペースの問題でそうせざるを得なかったものが多いのに対して、このベッドは広さ・頭上の空間・クッションの良さにもこだわれるのが強みです。ただその分スペースを必要とするため、比較的大型のモデルでないとレイアウト的に配置できないのが難点です。

 

●ツインベッド
快適さ★★★ 便利さ★★★ 面白さ★
特徴:輸入車やバスコンなど一部の大型のモデルで採用されているベッド。
メリット:寝心地の良さに加え、お互いの睡眠を邪魔せずに通路へ移動できる。
デメリット:非常に広いスペースが必要なため一部の大型モデルでないと配置できない。

ダブルベッドの場合、基本的には車に対して横向きに配置されるため、奥側に寝ている人は手前の人を跨がなければ通路に出られません。しかしツインベッドの場合は中央に通路があるため、相手を跨がず(起こすことなく)通路に出られるので早く起きてしまった時やトイレの時も気を遣うことがありません。スペースの関係上、輸入車や一部の大型高級モデルでしか採用されていないため、名実共にキャンピングカーの中でも最高級のベッドと言えるでしょう。

 

●プルダウンベッド
快適さ★★ 便利さ★★★ 面白さ★★★
特徴:普段は天井部に収納されていて、使う時だけ下におろすベッド。
メリット:ベッドの広さがある上に普段は邪魔にならないので、スペースを有効活用できる。
デメリット:基本的に高い位置になるため登り降りが大変。費用が割高になりやすい。

キャンピングカーらしいベッドといえばこのベッドは外せません。初めて見た時は衝撃を受けました。普段は天井側に収納されていながら、使うときだけグイーンと降りてベッドになる様は面白さと便利さを兼ね備えた作りになっています。しかし構造の複雑さやコストがかかる事から国産モデルではほとんど採用されておらず、輸入車でも一部のモデルでしか見ることが出来ません。でもそんなレアなところもこのベッドの魅力かもしれません。

 

以上が代表的なキャンピングカーのベッド7種類です。改めてまとめてみると、こんなに種類あったんだって自分でも驚きました。この他にもビルダーが工夫を凝らしたベッドが沢山ありますが、基本はこの7つに分類できると思います。

もちろん純粋に「寝る」という観点から言えば、ダブルベッドやツインベッドが良いのは言うまでもありませんが、個人的にはキャンピングカーで寝るという「面白さ」も大事なんじゃないかなと思っています。その点で言えば、まるで秘密基地のようなルーフベッドやバンクベッド、さっきまで座っていたシートがあっという間にベッドに変形するダイネットベッドは、自分がキャンピングカーという特殊な空間を改めて味わえるベッドではないでしょうか?

あくまでも僕個人の意見なので、あくまでも参考にしてください。ぜひご自身の用途をよく考えて、最適のベッド・・そして最適のモデルを探してみてくださいね。では(^-^)/

<記事まとめ>
・キャンピングカーのベッドはダイネット・ルーフ・バンク・プルダウンなど全部で7種類。
・限られた空間である以上、家のように快適なベッドを確保することはとても難しい。
・しかし創意工夫を凝らした「面白い」ベッドで寝ることもキャンピングカーの醍醐味の一つ。

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